まだ紙の回覧板? 誰が読んだか一覧で残る「Kairanban-app」
- 公開
- 正式公開 2026-10-26(2026年8月からプレビュー版を公開)
- 作り手
- ジャグプロジェクト合同会社(Jag Project)(会社)
- 対応
- Web
- 言語
- 日本語・やさしい日本語・英語・中国語・ベトナム語
- 価格
- 無料(MIT ライセンス)
- アカウント・広告
- 会員は電話番号でログイン(パスワードなし)
どんなアプリか
Jag Kairanban-app は、町内会・自治会が自分たちの会のために立ち上げて使う、回覧板の Webアプリ(PWA)です。会員は紙の回覧板が回ってくるのを待たずにスマートフォンでお知らせを読め、会館の空きを見て予約したり、会合の出欠を答えたりできます。
役員がお知らせを配信すると、会員のスマホに通知が届きます。回覧ごとに「確認しました」を押した人の一覧が個人別に自動で残り、未読や未処理は管理画面の1つの画面にまとまります。会合の出欠では、出欠と人数・食事の数を集計し、未回答の人へまとめて知らせられます。
会館予約は空き状況のカレンダーから申し込む形で、ログインが要らないため会員以外の人も使えます。行事の写真を共有するブログは会員だけで見る作りで、一般公開はできない設計です。ごみの収集日や避難所の情報も載せられ、自治体の RSS の取り込みにも対応しています。
管理画面に日本語で書いて「翻訳を更新」を押すと、やさしい日本語・英語・中国語・ベトナム語の訳が AI の自動翻訳で付きます。開発の途中で地名がよその土地の地名に置き換わる訳が出たため、立ち上げの設定に町会名や会館名などの地名の対訳表を入れる欄が設けられています。
スマホに詳しくない会員向けに、通知を受け取るための「ホーム画面に追加」の手順を工夫しています。iPhone で共有画面が開いても画面の上から約42.7%は隠れずに残ることを実機で測り、その範囲に押すものの写真つきで手順を出し続けます。App Store や Google Play を通らないため、Apple ID や Google アカウントのパスワードは要りません。この案内の部分は「Jag PWA installer」として単体でも無料で公開されています。
最初に作った使い方の案内は、自分で見直して100点満点の20点でした。スマホに詳しくない人に、見たものを覚えて操作してもらう前提が、そもそも無理だったからです。そこから実機で測り直し、覚えなくても進める形に作り直しました。
Jag Yamamoto さん(ジャグプロジェクト合同会社 代表)、PR TIMES のプレスリリース(2026-10-27)
料金とデータの置き場所
アプリのコードは MIT ライセンスで、改変・商用利用も自由です。Cloudflare の無料枠の中で使えば、町会は月0円から運用できます(2026年9月時点)。無料枠を超えると、町会に費用がかかることがあります。
回覧をメールでも送る場合は、独自ドメインに年1,000〜2,000円ほどかかります。AI の契約はなくても使え、使う場合は月3,000円前後です。いずれも2026年9月時点のおおよその額で、メールの送信サービスは会員数が多い町会では有料になることがあります。
アプリは、町会が自分で作る Cloudflare の無料のアカウントに置きます(クレジットカードの登録は要りません)。立ち上げに使うセットアップ ウィザードで入れた内容は、そのブラウザの中にだけ残り、どこにも送られません。
ウィザードはメールアドレスを登録すると無料で開けます。無料で使う条件として、作り手からのお知らせと手引きについての連絡をメールで受け取ることに同意します。お知らせはいつでも止められ、止めたあとも手引きは使えます。
これまでの更新
GitHub のリポジトリは2026-07-31に作成され、2026年8月からプレビュー版として公開されていました。プレビュー版は、立ち上げに AI の道具の助けを前提にしていました。
2026年10月26日に正式に公開されました。正式公開にあたり、町内会・自治会の予算を考えて、AI の助けがあってもなくても立ち上げられる形に作り直されています。
入れる前に
完成品として配るサービスではなく、改良を続けているオープンソースです。サポートも動作の保証もなく、運用と個人情報の扱いは導入した町会の責任になります。困ったときは GitHub の Issue で受け付けていますが、返事は早くないことがあります。
立ち上げには、Mac か Windows のパソコン、Node.js 20 以上、Cloudflare のアカウントが要り、Windows では git も要ります。質問の画面はブラウザで開きますが、パソコンでのセットアップが必要です。AI を使わない場合の目安は1〜2時間とされています。
ログインはパスワードを使わず電話番号だけで入る形のため、番号を知っている人はその会員になりすませます。電話番号入りの会員名簿を外に出さない運用が前提で、アプリに機微な個人情報を置かないよう求められています。
「公開」に設定した回覧の本文はだれでも読めます。スマートフォンのロック画面の通知に、名前や回覧の見出しが出ることがあります。翻訳された地名や収集日は、自治体の公式サイトと見比べるよう案内されています。
架空の町会のデモが公開されており、入力した内容は24時間ごとに元に戻ります。また作り手は、実際の運用で確かめる町会・自治会を1団体募集しています。