富士通が自ら試したら130行が約40行に。量子部品集「OpenQARP」
- 公開
- β公開 2026-09-15
- 作り手
- 富士通株式会社(会社)
- 対応
- Linux・Mac・Windows
- 言語
- Python
- 価格
- 無料(Apache License 2.0)
- 評価
- GitHub のスター 78(2026-10-06)
どんなアプリか
富士通株式会社が2026年9月15日にオープンソースとして一般公開した、量子アプリケーション開発用のソフトウェアです。富士通独自の量子アルゴリズムを含む100種類以上のソフトウェア部品があり、これを組み合わせて量子アプリケーションを作ります。
量子技術の社会実装の加速のためには、最先端のアルゴリズムを特定の問題ごとに実装するのではなく、広く再利用できることが求められます。そこで、当社は汎用性の高い量子アルゴリズムを部品として実装し、様々な業界における量子アルゴリズムの開発への活用を推進するための量子アプリケーション開発ソフトウェア「Open Quantum Application Research Package」(OpenQARP(code name))を開発しました。
富士通株式会社、PR TIMES のプレスリリース(2026-09-15)
部品は、量子状態準備やパラメータ付き量子回路の構成要素から量子フーリエ変換までの70種類以上のビルディングブロックと、それらで組まれた20種類以上の実行可能なアルゴリズムです。富士通は社内での例として、ADAPT-VQE アルゴリズムを使う処理が Python で約130行必要なところ、部品を使って約40行に減ったと説明しています。
README によると、作りは3つの層に分かれています。回路を表す block、回路から何を取り出すかを表す primitive、それをどう実行するかを表す engine です。シミュレータとコンパイラは C++ で書かれていて、操作はすべて Python から行います。
Python が動く一般的な PC にインストールして使えます。ソースコードからビルドすると NVIDIA の CUDA-Q をバックエンドにして GPU で量子回路を実行できます。富士通の「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX700」1,024機で構成された40量子ビットの量子シミュレータ環境でも使えます。
料金とデータの置き場所
Apache License 2.0 のオープンソースソフトウェアとして GitHub で公開されています。プレスリリースでは、Python が動く PC に入れて誰でも利用できると説明しています。
これまでの更新
一般公開の前、2026年2月からβ版が共同研究や Quantum Simulator Challenge を通じて80団体以上に提供されていました。2026年9月15日にバージョン v0.1.0 として一般公開されました。
今後は、富士通が研究している量子計算アーキテクチャ「STARアーキテクチャ」を想定したシミュレーション環境などに順次対応する予定です(2026-09-15 のプレスリリース時点)。
入れる前に
pip でインストールします。ビルド済みのパッケージは Linux・macOS・Windows の Python 3.11〜3.14 向けに用意されていて、それ以外の環境では C++ のバックエンドをソースからコンパイルするため数分かかります。配布名は openqarp ですが、import するときの名前は qarp です。
GitHub の examples には tutorial_00 から tutorial_05 までのチュートリアルのノートブックがあり、通しでおよそ1時間と書かれています。不具合や質問、機能の提案は GitHub の Issue で受け付けています。